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よく言われるセオリーに対して、実務を通じての実際の感覚を紹介いただきました。以下はメモです。
よく言われるセオリー①まずはSEO・リスティング・サイトリニューアルから始める
実際は、BtoB商材でSEMが事業成長に有効なチャネルになることは少ない。
まずは顧客へのインタビューから、購買行動・プロセスを把握することが大事。誰がお客様で、何を伝えればいいのか(whoとwhat)。施策から始めると、ターゲットが置き去りになってしまう場合も多い。
whoとwhatの幅が広すぎるときは、領域を決めて小さなところを独占するとよい。例えば、ノバセルでは初期は「スタートアップの初めてのCM」にターゲットを絞って、スタートアップ経営者だけに訴求した。まずターゲットを決めることで、施策が決まってくる。
よく言われるセオリー②マーケ投資の第一歩は、認知拡大やリード獲得
実際は、バケツの穴が塞がってないと、投資対効果は見合わない。そもそもプロダクトが顧客ニーズに合っているか。訴求が魅力的で、サービス効果を伝えられているか。リード獲得後のセールスリソースが足りているか。
購買プロセスの57%が、営業担当に会うまでに終わっているという調査結果がある。カスタマージャーニーをしっかりコントロールすることが大事。どういう状態で商談を迎えたいのか、という所から始めるとよい。理想の商談の様子を言語化する。
ペイバックピリオドなど投資対効果の考え方。どれくらいのコストまで許容できるのかを企業側でしっかり持っていないとだめ。WP作ってFB広告回して、それでLTV/CAC合うのか。
よく言われるセオリー③コンテンツマーケは100記事つくる
実際、5記事で十分なケースも。顧客の購買プロセスとして、どこかの会社のオウンドメディアを毎日見てますというケースは極めて少ない。CVが獲得できるのは数種類のキーワード・記事のみ。
ターゲットが実際に購買行動の時に使う検索ワードは5つぐらい。これを洗い出して、ドンピシャな記事を5つだけ作る。それを毎月リライトする。
BtoB企業は、オウンド「メディア」より「インデックス型コンテンツ」がおすすめ
メディアから事業の売り上げを作ることは難しい。おまけ施策(無視するともったいない、でもやっていく分にはやったほうがいい施策)の位置付けになる。競合に取られたくない部分をディフェンス的に投資しておくのはアリ。
よく言われるセオリー④マーケ投資はスモールスタートで始めた方がいい
実際、検証に耐え、新しい発見を拾える程度の投資は必要。実際にリード取って商談してやっていくなかでやりながらわかる部分も多い。
1打席1安打を絶対狙うみたいなのはダメ。3打席は絶対やろう。1回で予算をどんと使うよりは、何回か試せるように組むのがよい。オウンドメディアを成功させているケースでは、2回くらい失敗してるケースが多い。
逆にいうと、効果測定をしっかりできる体制を作っておかないと、失敗から何も学べない。
よく言われるセオリー⑤BtoBマーケターを採用して、リード獲得・育成をやってもらおう
実際、BtoBマーケターはここ5年とかで出てきた職業なので、経験者の採用は難しい。ノウハウは出回り出しているので、顧客理解度の高い人を採用して、ノウハウは後から身につければOK。
質疑応答
顧客の解像度高まったといえるのはどういう状況?
施策の判断、筋がいいのか悪いのかの判断ができるくらい。
新規事業でのSTP分析はどうやる?
最初は荒い仮設ベースのSTPから始めて、実際に売り出してから、そこで得たデータでもう1周2周してブラッシュアップしていく。
ペルソナマーケティングのやりかたは?
ノバセルではペルソナマーケティングというのはあんまりしていない。担当者の傾向は統一しやすいけど、決裁者の傾向はまちまちなので、そこは個社別。
マーケの貢献をどう測るか?
マーケ経由のリードでの受注率・受注単価。おすすめとしては、可視化ができる施策で8割、できない部分(ブランディングとか認知拡大)で2割みたいなリソース配分にしておくこと。
少ないリソースをどこにふりわけたらよいか?
基本的には購買に近い所から。汎用性高いところでいくと、セミナー。もちろん顧客の購買行動をしっかり調べた上での施策決定が必要。