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#GPAWD3 イベントメモ「組織でデザインが推進できる人の思考術」

DX Design Days by Goodpatch Anywhere #GPAWD3 の「組織でデザインが推進できる人の思考術」での学びメモです。いろんな勉強会で追っかけているのですが毎回長谷川さんの登壇は面白いです。

デザイン組織を推進するのはなぜ難しいか

ペースレイヤリング(変化するペースは層により異なる)という考え方がある。家の構造で例えると、インテリアは数ヶ月で入れ替わる、外壁は数年で劣化する、土台になる土地はそうそう変化しない……など。これをサービス開発で言えば、プログラミング言語やデザインツールなどの手段は高速で変わっていく、受託開発のフローなどプロセスはそうそう変わらない、仕組みや組織は数十年は変わらない。

表層側にある手段やプロセスだけを注視していても、変化を起こすことはできない。デザインガイドラインを作ったところで、デザイン組織が成り立つわけではない。手段の流行の移り変わりが激しいのは、個人でも変えられる程度に表層的だから。もっとコアになる概念を見ないと変化の範囲は限定的なものになる。変化の範囲や効果が大きくなるほどに、関わる人や課題が増え、難易度も高くなる。

あれがしたいこれがしたいという手段に惑わされずに、本当に効果が出る活動は何かを考えていく必要がある。

その手段のアウトカムは何か

本当に効果が出る活動は何かを考えるには、その手段によって得ようとしている「アウトカム(=結局何がしたいのか)」を深掘りしていくこと。

もっとリサーチができる状態にしたい→それができたらどうなるの?→ユーザーの理解を深めてデザインできる→それができたらどうなるの?→デザインが良くなる→よいとは?リサーチはその判断のために適切な手段か?

大事なことは2つ。

手段を目的にしない

手段はわかりやすいが本当の変化につながらない。問いかけを繰り返してアウトカムを導き出す。

真の課題は下層(根幹)にある

手段によって解決しようとしている根幹部分の課題から、適切な手段を考える。

適切な目標設定をするには

  • 小さくする:効果が出る最小単位で
  • フォーカスする:基準を明確に
  • 正直に:建前に逃げない
  • 計測可能にする:前後比較できるように

例えば「UIライブラリを作る」という手段があったとする。そんなとき、まずはアウトカムを深掘りし、解決しようとしている課題を明らかにする。作ることでどういう効果が得られるか?→画面によってバラバラだったCTAの見た目が統一されてCVRが上がる

次に、手段が適切な粒度になっているか考える。全部作らないと効果がみられないか?比較できる最小単位は何か?→UIライブラリ全部ではなく、CTAボタンだけコンポーネントを作ってみる

小さくても定性ではなく、実数値で効果を実感してもらうことが第一歩。売上やCVを無理やりデザイン目標にする必要はない。ヒューリスティック評価を数人で5段階評価するなどもOK。